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大野ゆうきプロデュース "SEASCAPE チヌキューブ" とは?

ここ数年東京湾、港湾部のクロダイ釣りを取り巻く環境は大きく変化しました。それまで比較的上級者向けであったこの釣りが、急激な魚の個体数の増加に加えて都の親水公園の整備により実に身近な存在となりました。シーバスを釣っていても水辺を散歩していても恐ろしい数と、大型の魚影か確認出来るでしょう。その身近な港湾部のクロダイを、ルアーで安定して釣る為にチヌキューブは開発されました。

既存のルアー、エサとの違い

あらゆる魚種においても言える事ですが、クロダイは特に日と時合いによってルアーに対する「許容範囲」が極端に変化します。高活性時にはわざわざチヌキューブを使う必要はありません。消しゴムだろうがワームの輪切りだろうが壁際に正しいアプローチで落とせば何でも食ってきます。この時「ルアーの性能差」は関係ありません。
また、アングラーの技量が極めて高い場合、すなわちいかなる状況でも魚がルアーを口に入れた瞬間にフッキング出来る技量と経験があれば、「ルアーの性能差」はカバーする事が出来ます。

しかし約4か月のシーズンにおいて、初心者から中級者が釣りをする上では、「ルアーの性能差」は実に重要となります。チヌキューブを端的に言うならば、「ルアーとエサのハイブリッド」です。エサには無いアピール力、人工の疑似餌が持つ存在感と手返し、派手な蛍光色は特に荒れた時やローライト時にエサ釣りを圧倒します。さらに通常のワームには無いバイトタイムを伸ばす能力は、成分配合、素材メーカーを変えたサンプルを、2シーズンほぼ毎日テストし、導き出された配合です。
ワームの場合は口に入った瞬間に、エサの場合は噛み砕き終わった後吐き出す行動が見られますが、チヌキューブはラインテンションを掛けない限りかなりの長時間くわえているので、極端な話アタリを取る必要はありません。初心者でも子供でも壁際に落として回収出来れば勝手に釣れてしまう能力、これがチヌキューブの目指した性能です。

||| SEASCAPE |||

購入/使用上のご注意1 - 重要

1. 他のワーム類と一緒に保管しないで下さい。

2. 味の成分は水溶性です。水に濡れたまま保管しないで下さい。

3. 食用ではありません。特にお子様の手の届かない所に保管して下さい。

4. 特殊な素材につき全て手作りです。形状、サイズには誤差があります。

||| HOWtoUSE? |||

シーズンの選び方

この釣りにおいて最も重要な季節的な要素は「潮の濁り」です。日照時間が上がり、海水中のプランクトン濃度が上がった濁りが最も釣りに好条件に働きます。
雨の濁りは決して魚にとって良いとは言えませんが、クリアアップするよりはましと言えます。東京湾においては概ね6月第2週の潮回りから魚影が濃くなり7月-8月は最盛期、9月に入ると徐々に釣れなくなってきて来ますが魚は年内一杯多くいるので、条件によっては釣る事が可能ですが、基本的には10月半ばを過ぎるとオフシーズンとなります。
シーバスの感覚では「バチ抜け」の釣りが終わって、「秋のハイシーズン」の釣りが始まるまでがクロダイシーズンになります。尚、ボートでの釣りは比較的簡単に釣る事が出来ますが、(沖に出ないスタイルの場合)シーズンオフが岸からの釣りよりも1か月強早いので注意が必要です。
また、この時シーズナルなエサの変化が良く言われますが、チヌキューブの場合、以下の様に単純な変更で大丈夫です。
1. 喰いが悪い時(季節的に不利な時)ほどサイズを小さくする。
2. 太陽の角度を見極め、へち際がローライトな時ほど色を派手にする。

場所の選び方

クロダイは基本的に何処にでもいる魚ですが、環境によって性質やエサが大きく変わってきます。チヌキューブで釣るには垂直護岸や橋脚等、垂直の構造物のある場所が適しています。極端に浅い場所でも壁や柱があれば釣る事が可能です。尚、クロダイは神経質につきサビキ釣りなど居座り型の釣り人が多い場合や、一般人が多数の場合は避けた方が無難です。

時合いの選び方

同じポイントでもクロダイのポジションは水位によって変化します。港湾部のチヌキューブを使った落とし込みは「潮が高い時」にのみ機能します。しかし「水深」はあまり関係ありません。水深1メートル以下で底が見えるような場所でも問題無く釣れてきます。最も好条件なのは高水温時の潮の濁りで晴れの続いた日、荒れた日や朝、夕マズメ時も時合いです。

夜釣りは可能か?

昼間の釣りで安定して釣果が得られる方であれば夜の釣りも可能です。釣り方は同じですが、ラインは一切見ずに全て感覚で操作します。これは感度の高いルアーロッドで操作するから出来るのであって、これまでに無い新しい釣り方と言えます。全て手元の感覚でルアー操作出来る様に、練習あるのみです。
また、エリアに関しては極力浅い場所の方が釣り易いです。これは着底~ポーズ中に食ってくる場合が多い為で、落とす間隔も狭めた方が魚にルアーを発見してもらい易くなります。カラーは蛍光色が最適です。

釣り方は落とし込み釣り推奨

壁際のクロダイの釣りには大きく分けて「ヘチ釣り」と「落とし込み釣り」があります。既にクロダイ釣りの経験がある方はご使用中のタックルで単にエサの代わりにチヌキューブを使用して頂ければ大丈夫ですが、初心者の方、ルアータックルでやろうと考えている方は「目印を使った落とし込み釣り」の作法でスタートする事をお勧めします。2つの釣りの大きな違いはラインを張り気味で操作するのか、たるませて操作するのかですが、シーズン中のチヌキューブの釣りにおいてはたるませて操作する事をお勧めします。

メインラインは視認性重視で太め、ハリスは2号前後

メインラインはPEを使用します。太さは2.0号を上限に太い方が視認性が良いです。PEも同様に明るい色が有利で自身でマーキングする場合、白色がお勧めです。目印は様々な市販品が売られていますが、少しキャストする事も考えて使用する3メートルだけマジックペンで書くのがお勧めです。

リーダーのセット方法

メインラインをループにします。特に複雑なノットは不必要で、8の字結び+ハーフヒッチ数回で大丈夫です。これをループトゥループで極小サルカンに接続します。サルカンは無くても大丈夫ですが、チヌキューブを回収時に糸がヨレるのと、ハリスの交換が容易なのであった方が良いです。入手可能な最も小さいサイズを選びます。ハリスはフロロカーボンの2.0号、長さは70cm前後です。

ハリは管付伊勢尼かチヌ針

針選びは大変重要です。まずは使用するチヌキューブに適合したサイズを選びます。画像の様に大きくゲイブ幅を確保出来るやや大き目なサイズが正解です。東京湾奥の釣りで特徴的なのは、多くの釣り場において「胸の高さに柵がある」事です。その為バイトがあった時、ロッドティップが下を向いていない状況が多々あります。この状態ではまずしっかりとフッキングする事が出来ません。
また、ロッドがルアーロッドの場合比較的硬く、足場が低い(満潮時船の引き波を被る高さ)場所の場合、針に「ヒネリ」が入っていない方が良い結果が得られています。他の魚種と異なり岩の様な口のクロダイのフッキングポイントは、「唇」、あるいは「口の端(カンヌキ)」が主になります。その為フッキングはしっかりと行わないと針が口の中に留まりうまく刺さりません。特にチヌキューブの場合、極力再利用(壊れるまでに3-4匹釣る)事を目指すので唇にフッキングさせたいのでアワセはしっかりとします。
また、針を抜き差しすると、チヌキューブの味の成分が流出するのでハリスを結び直す際、管付きの方が望ましくなります。以上を総合すると針に求められる条件は「針先ネムリ」、「管付」、「ヒネリ無し」、「太軸」となり、伊勢尼や太軸のチヌ針が適しています。

* キューブSサイズ = 管付伊勢尼:8-9号 / 管付チヌ:2-3号

* キューブMサイズ = 管付伊勢尼:10-11号 / 管付チヌ:4-5号

ハリの刺し方

チヌキューブの形状は「フォール姿勢」と「フッキングし易さ」の為にデザインされています。画像の手順で正しい位置へ針をセットして下さい。
1. 面積の最も大きい平たいツルツルした面から刺す。
2. 反対側にある穴から針先を出す。
3. 画像の様に広めにフトコロを開けてセットする。
4. ガン玉を打ち、ストッパーで固定。
尚、結び方は「管付き針に」「外掛け結び/スネリング」をお勧めします。ランディング率を上げるにはかなり重要な項目です。

ガン玉はB-4B

チヌキューブの釣りではルアーをチェンジする様な頻度でウエイトを交換します。内蔵ウエイトでは無い理由は、「頻繁なウエイト交換」と「バイトか否かの判断」(画像が歯形)の為です。
東京湾の場合比較的内海である為、チヌキューブのMサイズでBからスタートする場合が多いです。クロダイ釣りで良く言われるのが「実際のエサが落ちる速さよりやや速めで落とす」ですが、チヌキューブの釣りの場合、「壁から離れない最小のウエイト」です。最も重要なのは「落ちる速さ」では無く、「壁からの距離」です。
シーズン中であれば釣れない要因の半分は「壁から離れている」事です。同じストレッチであっても潮の当たり方、風等の要因で数歩歩く毎に状況が変化します。それにウエイト交換で合わせて行くのが重要となってきます。最初に揃えるのはB-4Bですが、最終的には全種使う様になります。爆風向かい風、潮飛びまくりの時ではキューブのSに6Bもあり得ます。
尚、シーズンから外れてくると「スピード」も重要になってきますが中級者以上の釣り方になります。また、ガン玉はメーカーによって同一表記でもウエイトが異なる事も留意しておきましょう。

ストッパーの重要性

チヌキューブは一見頑丈そうな素材ですが、本体を構成する物質の多くが水溶性の味の成分です。例えば長期間水没させた場合、最終的にはスポンジの様な状態になります。また、この釣りにおいてルアーのバランスが大変重要で、釣りの最中にルアーがズレると著しく食いが落ちます。
また、チヌキューブの釣りで有利な点の一つに、「空合わせ」が出来る事が挙げられます。この方法にもストッパーは必須で、ストッパーの能力が釣果差となる実に重要なアイテムとなります。今回チヌキューブと同時に純正のストッパー、「チヌキューブキーパー」を発売しています。一見地味な製品ですが、これ無しでは釣りが成り立たない重要な商品です。

基本的な釣り方:壁際にキューブを落とし、アタリがあったら合わせる

東京湾の岸際は、その殆どが着水点から数メートルでえぐれています。その為良く言われる「壁から~センチ以内に落とす」ですが、実際の気持ちとしては「壁に当てながら落とす」のが望ましいです。低活性な時ほどストライクゾーンは狭くなります。それを自分が許せる最も短い間隔で繰り返します。高活性なクロダイは回遊しているので極端な話、同じ場所で繰り返しても良い位です。但し自分を含めた人的プレッシャーが高い場合、間隔を開けて行きます。尚、フォール中にラインテンションは絶対に掛けない事も重要です。

リールは使わない

シーズン中のクロダイのポジションはその多くが水深3メートル以内です。9.6ftクラスのシーバスロッドであれば引き出したライン分を送って終了となります。冬場などさらにそれ以上の水深を攻める場合、ロッド分のラインが出た後タイコリールの回転性能で糸を送る様な釣りが必要となりますが、シーズン中はリールは使わず落とした方が簡単に釣れます。

アタリの見極め

壁ギリギリに落とす場合、壁に引っかかってフォールが止まる場合が多々あります。ところがクロダイのバイトも同様にフォールが止まるアタリが多くあります。全て合わせていたのではルアーのロストが多発してしまいます。ラインが止まった要因が障害物なら「やさしくほぐして」そのまま落とす。魚なら合わせる。この見極めは止まる寸前の糸の挙動で判断します。 こればかりは経験ですが、慣れれば8割がた判断がつくようになります。後の2割は「やさしくほぐす」段階で感触が柔らかい事に気が付く訳ですが、キューブをしっかり大き目の針でセッティングしていればうまく行く場合が多くなります。専用のヘチ竿はティップが柔らかいのでこの作業に有利です。

初心者にオススメのタックル

多くのチヌ師は専用ロッドとタイコリールを使います。その繊細な作業はクロダイを掛けるまでも掛けたあとも慣れが必要で熟練のチヌ師のみが到達できる領域です。しかし、チヌキューブで使うのはシーバスで使っているスピニングロッドとスピニングリールです。主に壁際を落としていく釣りなのでスピニングリールは必要ないのでは?と思いがちですがスピニングリールの利点はその卓越したドラグ性能にあります。特に初心者の場合、大型のクロダイを掛けたあとのファイトはなかなかのものです。熟練のチヌ師はその技術で竿のしなりとタイコリールの繊細な操作により突っ込みを交わしますが、スピニングリールでは高性能なドラグが全て仕事をしてくれるので初心者でもラインを切られず簡単に大型のクロダイをランディングまで持ち込むことができるのです。 また、スピニングタックルの利点は投げることができること。タイコリールでは攻めきれない離れた障害物の周りに着いたクロダイをもターゲットにすることが可能です。

ガチのチヌ師は何が凄いか

ガン玉の項目で「壁からの距離」が如何に重要か触れました。チヌキューブは人工物ですので重さも形状もある程度一定です。フォールスピードの調整はウエイトを交換すれば予測がつきます。しかしエサの問題点は、都度サイズとウエイトが変わる事です。それらを経験から推測し、エサの種類とサイズに応じ針の刺し方、ガン玉を打つ位置、サイズを調整しているのです...多分。

クロダイフリップ

チヌキューブの釣りはバス釣りのフリッピングの様です。極力壁際に、着水音をさせずに、フリーフォールさせて行きます。後は効率と無駄の無い立ち回りが釣果に直接影響して来ます。
並んで釣りをしていて同じルアーを使っているのに倍以上の釣果差で釣り負ける。バス釣りでフリッピングのオカルトに直面した方は、まずクロダイ釣りで練習しましょう...同じ事が起こります。