キスラーロッド 2010 ( 2010/3/26更新 )
トルクに対する感度、耐久性に対する軽さ。キスラーのロッドデザインは常に相反する性能を高次元で両立させる事を目的として来ました。
自重アンダー100gを保ちつつもあらゆる面で高性能であった07/08モデル。やや重量は犠牲にしたものの肉厚かつ密に巻いたカーボンによる高トルク、高耐久性と感度を併せ持っていた09モデル。そして2010年度は3つの挑戦を行います。
1: マイクロガイド搭載モデルの発売
キスラー社ではこの度、小口径ガイドシステムである「マイクロガイド」をマグネシウムシリーズにおいて発表しました。マイクロガイドは、バットからティップまで全て約4mmの小口径ガイドを配置したガイドシステムです(ガイド数、位置等は従来品と同様)。
キスラー社によると、マイクロガイドは20年程前に日本とアメリカのロッドメーカー、ビルダーによって製作されたものの、そのあまりに奇異な外観と一考しただけでは想像がつかない利点の為、すぐに廃盤になったガイドシステムで、そのパフォーマンスは次世代バスロッドにおいてスタンダードになりうる性能であるとの事です。優れたデザインが市場に受け入れらるとは限らないのは米国市場も日本市場も同様ですが、フォアグリップレスをスタンダード化させたキスラーだからこそ、次に挑戦すべき目標としてマイクロガイドを展開して行きます。
マイクロガイドの利点
キスラー社製品に採用されたマイクロガイドはFuji工業製のヘチ竿用ガイド「ミニクロガイド」シリーズです。その利点として、
A: 軽量化
通常ガイドシステムに比べ、ガイドの総重量は約1/4oz軽量化されます。これを「クランクベイト1個分の重さがブランクに掛かっているか否か」とその優位性を表現しています。
B: 感度の向上
小口径ガイドによりいかなるラインの角度でも高感度です。
C: 強度の向上
マイクロガイドはその形状から指で押した位では曲がらず、踏んだとしても「逆に靴底にめり込む」程に強度を有しています。
D: 飛距離の向上
一般的に極端な小口径ガイドはラインの放出抵抗から飛距離が落ちると思われがちです。しかし実際には通常バットガイドよりもベイトリールのレベルワインダーの方が小口径でありロッドのデザインにおいてうまくラインをバタつかせること無くまとめ、押し出す事で飛距離は向上し、ガイドが無くなったかの様なキャストフィールを生み出します。これは多くのメーカーが提唱しており、ZENITHのストレスフリーガイドやゼナックのルーフガイドシステム等が挙げられます。
E: ブランク破損防止とパワーの向上
ガイドがブランクに与える影響は顕著で、マイクロガイドは最も影響が少ないとされるステンレスフレーム、シングルフットガイド以上にブランクのベントカーブを妨げません。実際ガイドを装着する前のロッドブランクは大変美しく曲がりますが、マイクロガイド搭載ロッドはそのベントカーブを保つ事が出来るのです。これはパワー、アキュラシーの向上、そしてブランク破損防止に効果があります。
実釣において
マイクロガイド搭載ロッドをうまく使いこなすにはその特性を理解する事が重要です。最も重要なのは「ルアーの空気抵抗」と「ラインのスピード」です。例えば最もマイクロガイドが威力を発揮するリグとして、ジグ&テキサスが挙げられます。これはルアー自体の空気抵抗が少なく、直線的にキャストする事が出来るからで、ガイドとラインの摩擦が無くなったかの様に気持ち良いキャストフィールを得る事が出来ます。
逆に軽いプラグが「放物線を描いて飛んでいく様な状況」においては、ガイド内でラインスピードがルアーのスピードを超えがちになりガイド内で停滞、結果バックラッシュを引き起こします。この場合リールのブレーキを調整するか、強めのアンダーハンドキャスト等でラインをまっすぐにしてキャストする必要があります。同様に向かい風でのプラグやバズベイトのキャストにおいても極力ルアーの弾道を低くしてキャストして下さい。
また、ラインの太さも使用感に影響を与えます。国産のライン表記で16ポンドまでは問題なく使用出来ますがそれ以上の場合、キャスト方法や使用ルアーによっては前述の様にバックラッシュ気味となります( 尚、キスラー社ではフロロカーボン25lb、PEライン65lbまで使用可としています )。
以上を踏まえるとマイクロガイドは
A: ジグ、テキサス等空気抵抗の少ないルアーのキャストでは従来ガイドシステムを上回る飛距離で、ピッチング、フリッピングにも最適。
B: 向かい風時や空気抵抗の多いルアーをキャストする際は、ブレーキやキャスト方法に気をつける。
C: 太いラインを使う場合もブレーキ、キャスト方法に気をつける。この場合アンダーハンドキャストやピッチングが最適。
2: 価格に対する品質、保証制度の更新
これまでキスラー社の米国モデルは元のデザイン以降OEMにて生産を行ってきました。しかしながら様々な要因からロッドの生産工程で最も単純であるはずの組み立て工程において、価格相応の質(エポキシ、スレッドカラー等)を保つのが困難となり結果中国製のマグネシウムシリーズの方が見た目の高級感があるといった逆転現象が発生。
また、ブランク破損に対する無制限の交換対応は、景気の悪化に伴い制度の悪用が多発、看過せざる自体にまで発展しました。そこで今回Helium IIを超える上位機種であるZ-Boneシリーズへの挑戦を機にこれまで無数にあったラインナップを一挙に廃盤にし、ヘリウム II 4機種、ヘリウム 7機種、マグネシウム14機種にまで絞りました。機種を少なくする事で全てのロッドに対し責任者を立て、1本1本強度試験、テーパーテストを行って初期不良を防ぎます。これにより以下の様に保証制度が変更されます。
これまで国内販売を含むキスラーロッドは、購入後の全てのブランク破損を無償で交換して参りました。これはカーボンロッドはその製法において必ず不良品が混在するからであり、メーカーとしては最高かつ最低限の保証制度と言えました。しかしながら近年この制度を悪用し、乱雑な使用に対する破損や故意による破損、個人売買による破損品の転売等が横行し、結果キスラー社において看過せざる事態にまで発展してしまいました(現状キスラー社に持ち込まれるブランク破損の約90%が使用者の不注意による破損であり、カーボンロッド特有の不良の場合、初回の釣行や極早期の段階ににおいて発覚します)。
結果2010年度からは新たな保証制度となり、当店を含む代理店が個別に保証対応する事が禁じられ、全てメーカーの直接対応による破損審査が実施されます。具体的には購入から30日以内は初期不良として販売店対応、それ以降は全てメーカーに直接不良品申請をする必要があります。
( しかしながら日本国内においては今回の保証制度は輸送コスト、関税の面において全く非現実的であり、モデルによっては修理に出すよりも新しく購入した方が安いといった事態を招きます。今後当店と致しましては最も安く済む方法である現状付属の日本国内保証書内の保証対応を強く推奨する他御座いません。勿論ブランク以外の修理可能な破損はこれまで通り承る事が出来ます故、何卒ご了承頂けます様お願い申し上げます )
尚、各既存モデル生産国を中国へを移したもののそのパフォーマンスはさらに良くなっており、単に値段が下がったに過ぎません。09モデルと比較し各シリーズ共によりトルク重視 + 感度アップとなっています。ヘリウムとマグネシウムシリーズは数%の重量増加となりましたが、LTXは重量までも軽量化され、バランサーウエイトも廃止されました。
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